アニメ制作日誌 二日目

実感したところは三つ。
・アンチエイリアスOFFで描いた線は回転させることができない
・イラスト制作のファイルは細切れにして保存する
・一原のときにしっかり描きあげておいた方が良さそう

アンチエイリアスOFFで描いた線は回転がさせられない

クリスタでアニメーションを作るときは漫画を作るときと同じように、キャラクターの線画はアンチエイリアスをオフにした状態(二極化の状態)で描きます。

ところが、このアンチエイリアスOFFの状態で描いた線画というのは、編集タブでの拡大・縮小はもちろんのこと、回転させることもできません。
できないというよりは、やってしまうとジャギーが発生します。粗悪なエイリアスをかけたかのように、線画がぐちゃぐちゃになってしまうんです。

こんなふうに、せっかくアンチエイリアスOFF(二極化状態)で線画を描いたのに、わずかでも回転させただけでぼやけた線画になってしまうんです。なので、「もうちょっとキャラクターを傾けたいなぁ」と思っても、一度描きあげたアンチエイリアスOFFの線画は回転させることができません。そういう場合は描きなおしです。

これに関しては紙とペンで描いたアナログ方式の方が良いと思いますし、実際にアニメの原画作業している回転させてキャラクターのポーズを整えるという場面は結構ありました。アニメをデジタル制作する場合のデメリットの一つではないかと思います。

そういう場合は仕方ないので、望みの角度まで傾きや回転をさせて、それを下描きということにしてもう一度描くしかないです。これを聞いた感じではとても気が滅入ると思うかもしれませんが、一度描きあげた線画を下書きにしてもう一度書き上げるというのは、思ったよりかは苦労なくできます。なんせ正解を既に自分で用意しているから。早い話が線画をなぞるだけなので、綺麗な線を安定して描く能力の向上とでも思ってしまえば良いです。

対策を考えるとしたら下書きの段階、レイアウトの次の第一原画の段階で、キャラクターの角度や大きさ配分といったものをバシッと決めるぐらいしかないと思います。

それでも微調整をするなど回転せざるを得ないという場合では、さっさと新しく書き直した方が良いでしょう。後悔しても線画が綺麗になるわけでもないですし、今のとこ諦めるしかないですね。
アンチエイリアスOFF状態で描いた線を回転させても、ジャギーが起こらないとなったら、軽い革命だと思います。

アニメの制作手順

アニメの線画の話をしたのでついでに話すと、アニメの線画はアンチエイリアスOFFの状態で描きます。アニメ制作での下書きに位置する「レイアウト」や「絵コンテ」は好きなペン先で描いて良いです。自分は鉛筆ツールのペン先を使いました。
下書きなのでボヤけた線でも大丈夫なんです。

線画を描きあげたら、次に色を塗っていきます。
アニメーションの制作経験は少ないですが、私の場合はイラストを描くときと同じように、線画フォルダの下に色フォルダを作るという感じに線画と色を分けていました。
その後、その二つを結合して書き出します。この段階ではまだドット絵のようにアンチエイリアスがOFFの状態です。

この次に「スムージング」という処理を施します。
スムージングを施すことで、ドット絵のような荒い絵柄から、テレビで放映するようの滑らかなアニメイラストになります。

こうして「キャラクター」「物」「背景」といったアニメーションの部品が出来上がったら、編集ソフトで組み合わせます。今回の企画ではアフターエフェクトを使う予定です。プロの製作現場でも使われているソフトなので、練習も含めてやってみます。

アニメ制作のファイルは細切れにする

今回のアニメ制作では、クリスタのアニメ制作モードで作っています。ところが制作を続けていくうちに、とにかく内容量が増えていきます。
「レイアウト・下描き」「一原」「二原」「色」「背景」「エフェクト」というふうに部品の種類が増えるごとに、レイヤー自体の数も増えていきます。上で示したように、ジャギーが発生するのを承知で回転させたり拡大させると、綺麗な線画で描きなおすために、またレイヤーが増えていくということになります。

 上の画像のように「下描き」「清書した下描き」「清書」といった感じに、なんやかんやレイヤーが増えていってしまいます。

 レイヤーが増えるごとに一つのファイルが重くなり、それによって処理が重くなってるような感じもします。ファイルは軽いに越したことはないですし、万が一ファイルがクラッシュした場合でも、被害を縮めることができます。

バックアップは必ず作ってきましょう

 これは本当に大事です。
耳にタコな人もいるかもしれませんが、とても大事なことなので必ず守りましょう。イラスト、小説、ゲーム、種類に関わらずバックアップは大事ですし、壊れた時の心の傷は本当に痛いです。

 今のところアニメ制作のファイルが壊れてしまったということはありませんが、もしも発生したら目も当てられません。激しく落ち込むと思います。

 どうやってファイルが壊れるかというと、ファイルを正常に終了させた上で、PCを正常にシャットダウンできなかった場合です。
 自分が実際に経験したことでは、イラストをやっている最中にPCが突然動作を停止したときでした。PCが完全にフリーズし、マウスカーソルも動かず、シャットダウンも再起動もできなくなりました。やむを得ず電源ボタン長押しの強制終了。イラストを描いている最中に正常ではないシャットダウンをすると、ほぼ確実に壊れると思います。自分はこれで描きかけのイラストを3つは壊した記憶があります。

ちなみに、PCが動作停止を起こした原因は「Razer Synapse」というソフトのせいでした。今はもうアンインストールしてます。

一原のときにしっかり描きあげておくと楽

 今は二原の段階にいるのですが、一原の段階でもうちょっとしっかり描きあげておけば良かったなぁと思ってます。

 上の画像のように、一原の段階ではとりあえず描きあげることを目標にしていたので、けっこう雑に描いてます。そのため、二原の段階では清書だけでなく半分描きなおしのような状態です。また、二原で清書している最中でも、もう少し動きのポイントが必要になったり、別なポーズにに変更などするため、新たに描き足したり描き直したりということが何回も起きています。この辺は実際にやってみないと分からなかったです。

 一原の段階でしっかり描きあげておくと、二原の時では線をなぞるだけで済むので、すごく楽になります。

この後の工程

 まだまだ先の話ですが、この後は「動画」の段階に移ります。流れとしては下のような感じです。

「プロット」⇨「レイアウト・下描き」⇨「一原」⇨「二原(イマココ)」⇨「動画」⇨「クリーンナップ」⇨「着色」⇨「背景・物」⇨「エフェクト」⇨「スムージング処理」⇨「撮影」⇨「音付け」⇨「完成・放映」

 もう少しで前半パートの二原が終わるぐらいですが、そびえ立つ山の一つを切り崩したに過ぎないって感じですね。一原のファイルだけでもあと3つぐらい残ってます。
本当だったら今年の夏に公開したかったんですが、ダメでした。ごめん。

手前から奥側への移動でズルしたこと

 手前から奥側へと移動する場面があるのですが、拡大縮小を使って描きました。

 技術的なものは探したのですが、本でもインターネットでも見つけられなかったので、クリスタの[編集]⇨[拡大縮小]でキャラクターを縮めて描くことにしました。拡大縮小をすると線画はジャギーが発生するので、新しくレイヤーに描きあげるという風に。
こうすることで、キャラクターが手前から奥側に移動する場合でも、一枚一枚の絵がブレないように均一化することができます。

 多分、プロの現場では拡大縮小はせずに、一原の段階でキレイに安定したイラストを描き上げてるんだと思います。というよりも、今だに紙とペンによるアナログな制作方法で行っているとよく言われます。

 しかし、デジタル制作では、アンチエイリアスOFFの線画は回転させることができないというデメリットを抱えています。それが結構ネックとなる要素なので、紙とペンでのアナログ制作というのもメリットはあるんだと思います。

 この「アンチエイリアスOFF線画は回転させるとジャギる」という問題は、フォトショップだと怒らないのでしょうか?
もしも起こらないのでしたら、アニメ制作に限ってはフォトショに乗り換えようと思います。

終わりに

 二日目というタイトルですが、二原に映ってから4-5ヶ月ぐらい経ってると思います。作業の進みが遅いので、もう少しスピードをあげていきたいところ。

 一人で5分のアニメを、1週間で完成させる。何かしらの技術革新が起きてほしいところです。

 わざわざこんな労力かけてまでアニメを作っているのは、二代目D.U.Pのファンが増えて欲しいからです。二代目のファンが少しでも、二代目D.U.Pで幸せになって欲しいからです。二代目ファンもいなければ、そのファンアートすらもなかった長い冬の時期を過ごして、その寂しさと何ともいえない悔しさというものを私は知っています。そんな思いを他の二代目ファンには感じさせたくないです。

 二代目D.U.Pファン、居たらどうか逞しくしたたかに生き延びてほしいです。

ー追伸ー

 年内の公開はできなかった上に、公式に追いつくことすらできませんでした。ごめん。

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