梅雨明けを経て7月に入り、いよいよ夏のような暑さとなってきました。好きな季節です。
こんな熱い夏に観てほしいアニメをそれとなく紹介していきます。涼しい部屋で炭酸でも飲みながら、ゆっくりと堪能してください。
『スペース☆ダンディ』 第一期10話
第10話で主要キャラの一人ミャウの実家へ帰るお話。
この話での日付は7月、そして季節は夏、舞台は寂しい田舎の一軒家です。
アニメで田舎といえば『ひぐらしのなく頃に』や『のんのんびより』、あるいはゲーム『ぼくのなつやすみ』のようは、緑にあふれた本当にド田舎ってものを想像されるかもしれませんが、この話では違います。
どこかの地方都市からさらに離れたところにある、完全に田舎というわけでもないどっちつかずなところです。大自然があるにはあるが緑に囲まれてるわけでもない。まばらに閉まったシャッター商店街があり、修理が間に合ってない町工場があり、夜になるとコンビニで数人のヤンキーってほどでもないけど真っ当でもない若者が暇をつぶしてる。娯楽施設はあっても看板はサビだらけの汚れまみれ、飲み屋は小さいスナックに常連が一人か二人。それでも天気は透き通った空気が漂う夏の風景。
そんな町も住人も含め、これと言って何か面白いものがあるわけでもなく、どっちにもなりきれてないような田舎が舞台です。
作品の舞台としては候補にも挙がらないような、本当に何のヘンテツもなく、取り立てられるようなイベントや特徴が何もない中途半端な田舎です。ただ、ものすごく親近感があります。
そして夏が彩られているのですが、この話で描かれてる夏の雰囲気はただの夏ではないです。夏休みを半分ぐらい過ごした後で、どことなく飽きてるぐらいの時期。明日、明後日に夏休みが終わるわけではないが、夏休みが始まったばかりのようなトキメキも薄れているぐらいの時期です。
でも、なんか面白いことは起きないか、楽しいことはできないかとちょっと頑張ってみるけど、いまいちパッとしなかった。
でもまぁ良いじゃん。それも夏の過ごし方の一つなんですから。深夜にこれを観て、そのまま夜のコンビニに行って、アイスでもかじりながらブラついてみればいいんじゃないですか。
ちなみにこの10話は結構おもしろい話です。というか、『スペース☆ダンディ』という作品自体が面白い作品です。かわいいアニメや萌えるアニメでなく、原作のある冒険ものでもない、おもしろいアニメです。
アキハバラ電脳組 2011年の夏休み
正体不明の誰かからおすすめされた、1999年の夏に公開された映画です。
00年代の絵柄とか懐かしさとかはさておき、この映画の舞台は真夏の秋葉原ですが、その時期は2011年です。つまりこの映画は1999年当時のスタッフが予想した、2011年の未来の秋葉原の姿を描いていたというわけです。
なので劇中では、かつて存在した秋葉原駅前にあったバスケコートや、CRTモニター(ブラウン管モニターのような箱型のモニター)のパソコンだって出てきます。2011年になっても、あそこのバスケコートは残り続けるだろうと思ったか、もしくはあのバスケコートは秋葉原を象徴するものの一つであったということなのでしょう。
今はもうなくなってしまいましたが、場所的には秋葉原駅の電気街南口の、秋葉原UDXに通ずる歩道橋の階段がある方面の広い空間にあった。らしいです。実際のバスケコートは見たことありません。
この映画の夏は、観ているだけで熱気が伝わってくる感じがします。都会の夏というものが良く描かれていると感じます。夏休みで昼は人が溢れかえり、道路は車で渋滞で前に進まない。パソコン室や施設の中は冷房が行き届いているので、蒸し暑い外とはうって変わって安心感のある室温の涼しさ。いくらか気温が落ち着く夜も、車が行き交い、音も光も止むことはない。
都会とはいえ緑も存在する。というより都会ほど自然や草木は調和を保つために、ちゃんと整備されてます。だからなんとなく思い描く”都会”というコンクリートジャングルではあっても、公園や川岸の草木もちゃんと存在してて、緑が少ない分住宅で植木を育ててたり、そういうのも描かれています。
都会の夏、とくに1999年あたりの東京の夏とはこういうものだというのを、画面の熱気から感じさせてくれます。セル画の雰囲気と色合いを観るのにも良いと思います。
夕方前の15時ぐらいが観るのにちょうどいいです。
電脳コイル 第8話ぐらいから
名作としてよく名前の挙がる作品の一つです。実際おもしろかったです。
このアニメの舞台は”都会”ってほどではなく、地方都市ぐらいの規模の街が舞台です。ただし、この作品の登場キャラクターたちは「夏休み」ってものを過ごしてるなと感じます。
そもそもの物語が謎解きなので、都市伝説といった使われるワードや演出、キャラクター同士の掛け合いやイベントが、夏休みを最高に過ごしてると思います。時間が過ぎ去り後から思い返したら、「あの時の夏は楽しかったな」と感じられる過ごし方をしていると思います。
学校でお泊り、図書館で調べもの、裏路地探検など、夏休みを小さい子供としてその時流れる時間を満喫しています。
一応これらはただの演出としての風景ではなく、全部ちゃんとストーリーに沿ったものではあります。
30分アニメなので、時間としては10:30-11:30の間に観て、その日の午後は普通に楽しんで過ごしてほしいです。
終わり+その他
一話だけ見たのですが『東京マグニチュード8.0』も夏が描かれてました。そして、おもしろいアニメだなって予感がします。後で観に行きます。
あと『ぼくらの』ってアニメもあるのですが、夏に観てほしいという以外に上手くおもしろさを説明ができないので、名前だけ記します。おもしろいアニメでした。そして都会だけじゃなく、海や山での夏も透き通った感じに彩られていたと思います。
アニメ映画の『AKIRA』も観てもらえたらなぁって思います。これは夏が描かれているというより、初めて観たのが2020年の夏の深夜だったからってだけです。ただこの映画には、夏っぽさはというものは特筆するほどはないと思います。名作と言われるだけあるなぁと感じられるほど、面白かったです。
自分はDVDを買ったわけでなく、U-NEXTとバンダイチャンネルで観てました。U-NEXTでは放映していない作品もあったりするので。
選んだ理由は特にないです。調べた結果、アニメ作品の数が多いらしいのでとりあえずそれでって感じです。
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